マーケット概況配信サービス

東京株式市場とNY株式市場のマーケット情報を配信します。

2023.06.01 23:32

〔米株式〕NYダウ続落、42ドル安=ナスダックは高い(1日午前)

 【ニューヨーク時事】1日午前のニューヨーク株式相場は、米労働市場の堅調さを示す経済指標の発表を受けて、改めて連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策への警戒感が広がり、続落して始まった。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時12分現在、前日終値比42.77ドル安の3万2865.50ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は29.76ポイント高の1万2965.05。

 この日発表された経済指標は雇用の底堅さを示す内容。米民間雇用サービス会社ADPが朝方発表した5月の全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数は前月比27万8000人増と市場予想を上回った。FRB高官らが前日に、利上げ見送りを示唆する発言を受け、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き観測がいったん広がっていたものの、統計を受けて改めて金融政策を巡る不透明感が台頭した。また米労働省が発表した新規の失業保険申請件数は、27日までの1週間で前週比2000件増の23万2000件と2週連続で悪化したものの、市場予想は下回った。

 ただ、その後S&Pグローバルが発表した5月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)確報値は48.4となり市場予想を下回ったほか、米サプライ管理協会(ISM)が発表した5月の米製造業PMIも46.9と市場予想を下回った。景気減速を示唆する内容だったことからFRBが利上げに動きづらいとの見方から株は買い戻され、下げ幅を縮小する場面もあった。米下院が31日夜、連邦政府の借入限度額である「債務上限」の効力停止に関する超党派の法案を可決。野党共和党が多数派を占める下院を法案が通過したことで、米国がデフォルト(債務不履行)に陥ることへの懸念が後退し、投資家心理も改善した。

 個別銘柄では、セールスフォースが約5%超安と、ダウの下げを先導。前日引け後に発表した2023年2〜4月期決算で、売上高の成長率が過去13年間で最大の減速を示したことが嫌気された。通年の売上高見通しを下方修正したメーシーズやダラー・ゼネラルなどの小売り関連の一角も売られている。

続きを読む

過去7日間の記事